カレイディスト・ニューズレター 2026年5月号
「セルフコンパッションで乗り切る、環境変化の不調」
皆さま、こんにちは。
カレイディストのニューズレターvol.14 2026年5月号では、5月の不調が出やすい時期に、上司としてどのように部下を支えられるかをテーマにお届けします。

環境の変化による疲れが表面化しやすい時期
5月は新年度の緊張が一段落し、心身の不調が出やすい時期。
この時期の1on1では、部下のコンディションにも目を向け、“頑張らせる”より“支える”姿勢も重要です。
そこで役立つのが セルフコンパッション(Self‑Compassion)。
失敗や不調を「誰にでも起こりうる経験」と捉え、批判ではなく理解を向ける関わり方は、部下が安心して状態を共有できる心理的安全性の土台になります。
セルフコンパッションは、
- いまの状態をそのまま認識するマインドフルネス
- 自分だけでないという共通の人間性
- 自分への優しさ
の3つから成る“レジリエンスを高めるスキル”です。
上司が部下にかけるべきコミュニケーション・チェックリスト
こうしたセルフコンパッションの姿勢は、1on1での具体的な言葉がけとして実践できます。例えば次のような関わり方です。
- 感情の可視化と肯定(1.マインドフルネス)
「今の率直な気持ちを教えてくれてありがとう。」(相手の状況を否定しない) - 状況の正当化(2. 共通の人間性)
「環境が変わるとどうしても負荷もかかるし、誰もが疲れを感じやすいよね。」 - 上司自身の「弱さ」のシェア(2. 共通の人間性)
「自分も悩むことがあるし、同じように試行錯誤してながら考えているんだよ」 - 行動のハードルを下げる(3. 自分への優しさ)
「まずは優先度の高いところから、段階的にやっていこう。」 - 支援の明確化(3. 自分への優しさ)
「必要なサポートがあれば遠慮なく言ってね。どう進めるか一緒に考えよう。」
まとめ
セルフコンパッションによくある指摘で、これは「甘え」や「弱さの肯定」しているのではないかと誤解されがちですが、研究ではむしろ「失敗から立ち直り」、「再挑戦する力(レジリエンス)」を高めることが示されています。
ただ自分の基準を下げたり、仕事の負荷を下げたりするのではなく、「自己批判」を和らげ、「挑戦に戻る力」を育て、「成長の軌道に乗せる」アプローチです。
こうした関わり方は、一人ひとりの状態に寄り添い、力を発揮できる環境をつくるインクルーシブ・リーダーに求められる重要な役割でもあります。まずは日々の小さな対話から、ぜひ試してみてください。
出典:
- Kristin Neff(クリスティン・ネフ)博士:セルフコンパッション研究の第一人者
- 参考:Neff, K.(2016)『セルフ・コンパッション』金剛出版

