11月27日に昭和女子大学のグローバルビジネス学部及び30% Club Japanの共催で、「トップマネジメントと語ろう、グローバル時代のビジネス・キャリア」というテーマで第1部ではシンポジウム、第2部では分科会が開催され、昭和女子大学の学生及び30% Club Japanに加盟する大学の学生が参加しました。
同シンポジウムでは、弊社代表であり30% Club Japanのアドバイザリー・ボードメンバーでもある塚原がモデレーターを務め、パネルディスカッションでは、女性幹部の育成の課題を「経験」「意識」「環境」から考えると題して、大学と企業のトップに語っていただきました。
シンポジウムには、30%Club Japan のメンバー大学及びメンバー企業である、右から昭和女子大学総長の坂東眞理子様、上智大学学長の曄道佳明様、東京大学総長の藤井輝夫様、清水建設株式会社代表取締役会長の宮本洋一様、株式会社大和証券グループ本社取締役兼執行役副社長の田代桂子様が登壇しました。
シンポジウムの冒頭では、トップマネジメントになられた各自のご経験をお話しいただきました。組織において、仕事を進めていく中で多方面の関わる人たちの異なる意見をまとめることを早い段階から経験することがマネージメントとしての手腕を磨いたというご経験から、今の時代は女性であっても男性と同じように経験を積み、登用されるチャンスはあると各トップから力強く語られました。
次に、女性のより良いキャリア形成の前に立ちはだかる本質的な課題に関する議論では、男女共にある根強い性別役割分担意識や、アンコンシャス・バイアスを個人レベルでも組織レベルでも変えていく必要性と共に、キャリア形成において大学卒業後に就職というルートだけでなく、その後のステージに合わせて柔軟に起業、大学院で学び直す、NPOや企業に移るなど、キャリアルートの社会通念の構造的な課題を変えていく必要性も議論されました。
最後に大学と企業が将来の女性人材育成の観点から連携するべきこととして、大学側からは短期のインターンシップを超えて、大学での学びを活かし、企業と長期的に人材を育てる、コーポラティブ・エデュケーションの仕組みの導入や企業と大学で新しい教育プログラムを一緒に開発するプラットフォームの産学共同開発なども提言されました。30% Club Japanが重視する「統合的アプローチ」の一環として大学と企業が連携することで、社会の意思決定層への女性参画を促していくという観点からも意義ある議論が行われました。
さらに、組織で働く女性を念頭において、採用後には企業に対して女性を3つの「き(期待、鍛える、機会付与)」の観点から育成することの必要性、また女性自身も自ら手を挙げて、会社に貢献する自信を身に付けてほしいとのご意見も語られました。
第2部の分科会では、学生たちが直接トップマネジメントの方々と対話する機会を設けるために少人数の3つの分科会に分かれ、第1部の登壇者及びモデレーターを務めた塚原も各分科会を巡回し、ファシリテーターの進行の元、学生たちの質疑応答にコメントしました。
学生たちからは第1部のシンポジウムを受けて積極的に、研究分野で女性がライフイベントを経てもキャリアを続けていける方法について、女性が学生でも社会人でも味わうアンコンシャスバイアスの背景、現在の多様性が少ない公教育の壁、就職活動における自身のあり方、自分らしい個性の見つけ方等、様々な若い学生視点の疑問や意見を議論する機会になりました。
普段大学生たちが接する機会はないであろう企業や大学のトップ、企業の現場で活躍するシニア管理職女性たちからの視点に触れて、本当のところ大人達は学生たちに何を期待しているのかを聞け、勇気づけられた貴重な機会であったのではないでしょうか。
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同シンポジウムの詳細は、朝日新聞の採録記事のデジタル版でもご確認いただけます。
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