インポスターシンドローム
一般的に女性の方にインポスターシンドロームの特徴は多くみられると言われる。成果を上げても自分の実力以外の要因だと捉えるがゆえに自分に自信が持ちづらかったり、自分の能力や組織への貢献、リーダーシップスタイルについて違和感を持ちやすいともいわれる。
このような不安があるとき、女性はどのように自己肯定感を高め、失敗を過度に恐れずに挑戦できるようになるのか?ー 解決策の鍵として、「しなやかマインドセット」を提案したい。
しなやかマインドセット vs 硬直マインドセット―成長の鍵は思考にある
マインドセットの研究で有名なスタンフォード大学のキャロル・デュウェック教授によれば、人の考え方には大きく2つのタイプがある。
「しなやかマインドセット(Growth Mindset)」とは、才能や能力は努力次第で伸ばせると考える姿勢。 対して、「硬直マインドセット(Fixed Mindset)」は、才能や能力は生まれつき決まっており、変えることは難しいと捉える傾向だ。
新しいチャレンジに直面したとき、 「はじめてだから難しいかもしれない。でも、学びながらやってみよう」と思える人は、しなやかマインドセットの傾向が強い。 一方で、「これは自分には向いていない」「経験がないから無理」と考えがちな場合、硬直マインドセットに陥っている可能性がある。上記の調査結果からも、職場において管理職のポジションを打診された時に、女性の方が男性より「硬直マインドセット」に陥りがちな傾向が強いようにも見える。
では、日常の様々な場面で「硬直マインドセット」になりそうなときにはどうすれば良いのか?「Not Yet」-今はまだできていないだけで努力次第でこれからできるようになる。デュウェック教授は「できない」のではなく「まだできていない」と捉えることの大切さを説く。
女性たちには、職場で新しいチャレンジに直面したときこそ、『しなやかマインドセット』を意識してみてほしい。成長し続ける姿勢が、可能性を広げることにもつながるだろう。
一方、組織のリーダーには、女性個人の意識変革に頼るだけでなく、組織全体がしなやかマインドセットで成長できる文化や仕組みの構築を期待したい。
出典:
・パーソル総合研究所:男女の管理職昇進への「 意 欲 格 差 」解 消 の た め に で きること
・キャロル・S・ドゥエックは、著書『マインドセット「やればできる!」の研究』(今西康子訳・草思社)