カレイディスト・ニューズレター vol.20 - 2026年新春号-
カレイディスト代表取締役社長兼CEO 塚原月子です。カレイディストでは、2026年もDEI推進のご支援を通じて、皆さまのありたい姿の実現に、そしてインクルーシブな社会の実現に貢献していきたいと願っております。今回のカレイディスト Newsletterは2026年新春号です。是非ご笑覧ください。
《2025年新春号のDEIトピック考察》
ビジネス戦略に資するDEIの位置づけ方の重要性
新しい年の始まりは、組織の未来を考える好機。2026年を迎えた今、日本企業にとって改めて問い直すべきテーマのひとつが「DEI」ではないだろうか。米大統領令の影響もあり、属性別の多様性マネジメントからインクルージョンへとシフトしようとする動きも見られる中、DEI推進が自社の経営課題解決やありたい姿実現により資するものとなるように位置づけていくことも重要であろう。
こういった観点からDEIを位置づけ、その成果を測るための指標も、単なる属性カウントではなく「イノベーション」「カルチャー」「人材の自律性」など組織の変容を捉えるアプローチについて紹介する。

1. イノベーションを生むためのDEI
グローバル市場を視野に活動する日本企業の多くが、インオーガニックな成長を取り込む戦略を取っている。新たな組織には、国籍や文化的バックグラウンド、業界・組織バックグラウンドの異なる人材が多く存在するようになっている。こうしてできた多様性ある組織は、それだけで更なる成長への原動力を生むか―否である。様々な価値観・視点や経験をぶつけ合い昇華させてこそ、新しい発想が生まれ、イノベーションを通じた組織の成長を実現する。
こうした観点から、日本を代表する製造・システム・デジタルソリューション事業を営む某企業では、異なる専門性を持つ従業員同士の協働から革新的なアイデアが生まれているかをDEIの指標としている。従業員が社会課題を起点にアイデアを提案し、事業化まで伴走する仕組みを整えることで、インクルーシブな職場環境や成長機会をKPIとして可視化している一例である。
2. カルチャー変革を支えるDEI
異なる事業ドメインへのシフト、それに合わせた選択と集中―多くの日本企業が求められていることであるが、従業員のマインドセットはついてきているだろうか。例えば、製造現場を中心に規律に基づく安心安全を極意としてきた企業カルチャーで育ってきた従業員にとって、会社がよりソリューション提供型へと事業シフトしたからといってすぐスピークアップや挑戦を重視するようなマインドセットや行動原理を変えられない。
ソフト・ソリューションビジネスを展開する某企業では、従業員に実現していてほしい状態を「意義ある仕事に取組んでいる実感」「成長している実感」「活き活きと働いている実感」と定義し、新たなKPIを開発。従業員のエンゲージメント、従業員1人当たりが生み出す付加価値の向上を従業員のサクセスとしてモニターすることで、新たな事業へのシフトにふさわしいカルチャーづくりができているかどうかを検証しようとしている一例である。
3. 従業員の能動性を引き出すDEI
企業が変革期を乗り越える際、また勢いよく成長軌道に乗せていこうとする際など、多くの局面において重要なのは従業員の活力である。せっかく多様な従業員が存在していても、上意下達で仕事をこなすだけ、遠慮して発言しない、無難な方向へと同調するといった従業員が多勢を占める状態では、組織にとっての原動力となりづらい。多様な従業員が自分に自信を持ち、能動的に挑戦するように促す取り組みもまたDEIの重要な核である。
一人ひとりの従業員が自分のキャリアにオーナーシップを持ち、能動的に活動することを組織の活力につなげている例として、小売・金融を中心とする某企業での取り組みが挙げられる。従業員自ら挑む能動性を引き出す基盤としてDEIの各種取り組みを位置づけ、「手挙げ制度」の導入、「性別役割分担意識への共感」や「上位職志向」の向上など、マインドの変化をKPIとして追跡しており、可視化された変化を経営と従業員が共有できるようになっている。
自社の経営アジェンダに応じて、DEIを経営戦略の一部として捉え、目指すところをより明確にする―2026年をDEI推進の進化の年としていただけたら幸いである。

