カレイディスト・ニューズレター vol.8 - 2025年11月号-

 10月に開催された弊社主催の『第7回女性向け企業横断研修』には、日系・外資の大手企業9社から116名の女性リーダー・リーダー候補が参加しました。
本研修でご登壇いただいた、日本マイクロソフト株式会社の執行役員 常務 二宮稔恵氏の講演から得られた気づきや示唆を、今月のニュースレターではお届けしたいと思います。

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 講演の中でご自身のキャリアジャーニーを通して語ってくださったのは、キャリアの切り拓き方、部下との向き合い方、そしてワークライフを両立するための心の持ち方。ご自身のリアルな体験をもとに語られた等身大の言葉は、参加者一人ひとりに深い気づきと勇気をもたらしました。

①キャリアではパッションを持てることを追及する 

 キャリア形成においては自分がやり遂げたいと強く思うことを選んできたが、自分がやりたいことが最初からなかったとしても、日々の仕事の中で壁にぶつかりながら試行錯誤してやり続ける中で見つかっていくこともある。情熱を傾けてみたいことを見つけたら、それを達成していくためにはどうしたら良いかと自ら周囲に聞き、周りの先輩や上司にもやってみたいことを粘り強く伝えた。そこで何を実現したいか自分のパッションを周りに伝えることが大事。誰に何をしてもらえばうまくいくのかを考える、人がすべて。「自分の思いや方向性(What)にはこだわるけれど、その方法(how)は柔軟に」というポリシーで進めている。

②組織を動かすリーダーとして

 リーダーの立場になったら、方向性を明確に示し、組織を動かすストーリーが必要。だからといって、完璧なリーダーはいないし、目指す必要はない。「できない自分を受け入れる」ことで、人を頼りチームで動かす。
 人材育成や部下へのフィードバックにおいては、期初に目指してほしいことや達成してほしいことをまず明確にする。上手くいってないことが分れば、できていないことを指摘するのではなく、早めに必要なサポートを本人に聞き、改善できる点を「本人に考えてもらうこと」を大事にしている。

③ワークライフの両立のコツ

 子どもと仕事の両立で一番の敵は「罪悪感」!時間的な制約がある中で公私それぞれにフォーカスできる環境づくりを大事にしている。職場では、子供のお迎えの時間など動けない時間を可視化して共有。ワンオペの日はカレンダーに書いて明記。最後は自分が気概を持って結果を出せればよいと割り切る。

 キャリアもリーダーシップも、そしてワークライフの両立も、正解は一つではありません。自分自身と向き合い、周囲と対話しながら、試行錯誤を重ねていく。そのプロセスこそが、私たちの成長を形づくるのだと、改めて気づかされるました。本研修のテーマでもあった「目的を実現するために、自分らしいインクルーシブリーダーシップを活かす」ことの重要さを示唆として得られた二宮氏の講演でした。