経団連・経済産業省 共催「企業価値×DEIセミナー」に代表の塚原が登壇

2026年1月15日(木)、一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)と経済産業省が共催する「企業価値×DEIセミナー 〜逆風を企業価値の追い風に:DEIが切り拓く未来〜」が開催されました。本セミナーは、昨今の米国を中心とした「DEIバックラッシュ(逆風)」をどう捉え、日本企業がDEIをどのように企業価値向上へつなげるべきかを模索する場として企画され、弊社代表の塚原月子がパネルディスカッションのモデレーターを務めました。
第一部では、ニューヨーク在住ジャーナリストの津山恵子氏より、米国の最新動向についてレポートがありました。米国における逆風の本質は、形骸化した施策への修正であり、むしろ本質的なDEIへの深化であるという力強いメッセージが共有されました。
続く第二部のパネルディスカッションでは、多様な専門性・立場を持つ方々をパネリストに迎え、塚原の進行により「DEI推進の実践的課題と解決策」をテーマに議論を深めました。パネリストには、機関投資家の視点からアセットマネジメントOne株式会社の寺沢徹氏、いわゆる大企業の立場から双日株式会社の遠藤友美絵氏、スタートアップ企業の立場から株式会社ユーザベースの松井しのぶ氏、そして異文化からの示唆をもたらす観点からデンマーク文化研究家の針貝有佳氏が登壇しました。
ディスカッションではまず、機関投資家の立場から寺沢氏が、中長期的な企業価値を評価する上で、DEIは単なる数値目標ではなく、ガバナンスや意思決定の質の向上を通じた経営変革を実現するための不可欠な「経営基盤」であると語りました。これを受け、具体的な企業の実践例として、双日の遠藤氏は女性管理職登用を阻む要因を「育成構造」と「上司のバイアス」の問題と位置づけ、キャリアの早期経験付与やバイアス払拭に取り組んだ結果、女性社員だけでなく上司や男性社員の意識の変化といった成果を共有。また、ユーザベースの松井氏は、DEIを「異能は才能」という自社の経営理念そのものとして再定義することで、社内の納得感と組織の進化を両立させた事例を紹介しました。
さらに、デンマークの社会変容を研究する針貝氏からは、男女ともに限られた時間で最大限の成果を出す仕組みやマインドセットについて示唆に富む話がありました。セッションの締めくくりには、DEIを一時的なトレンドに終わらせず、不確実な時代を勝ち抜くための経営の本質として、リーダーが社内外へ一貫したメッセージを発信し続けることの重要性が改めて確認されました。
モデレータを務めた塚原からのメッセージ
昨今、米国の反DEI政策の影響下、表層的な取り組みに過ぎなかったものは停滞するケースも見られつつ、より本質的なインクルージョン実現を通じた従業員の幸福と企業変革を目指すケースも見られるようになっていると感じていたところでした。今回のディスカッションを通じて、DEIが従業員やリーダーのマインド変革、意思決定やガバナンスの質の向上を通じて中長期的な企業価値向上へとつながる基盤的な取り組みであることを改めて確信しました。短期的な利益目標の達成が重視されがちな難しい環境下ではありますが、DEIを基盤とする大きな方針はブレさせないことが重要だと考えます。

