カレイディスト・ニューズレター vol.7 - 2025年10月号-
2025年10月10日、「カレイディストニューズレターvol.7」を発行・配信いたしました。
「DEIトピック考察」については、HPでも公開しております。
今月は多様なチームの力を引き出す、新しいリーダーシップのかたち『インクルーシブ・リーダーシップ』をテーマに取り上げていきたいと思います。
インクルーシブ・リーダーシップとは?
リーダーシップにはさまざまなスタイルがありますが、今回ご紹介するのは「チームの多様性を力に変える」インクルーシブ・リーダーシップです。ジェンダー、国籍、キャリア背景などが異なるメンバーが集まる今の職場では、違いを尊重し、安心して意見を交わせる関係性が欠かせません。
カレイディストでは、インクルーシブ・リーダーシップを『多様なメンバー一人ひとりを尊重し、それぞれの能力を最大限に発揮できるようにサポートし、職場にインクルージョンを創るリーダーシップスタイル』と定義しています。インクルーシブな職場を作るために、経営層や管理職だけでなく、現場のメンバーや専門性を持つ個々のプレイヤーも身に付ける意味があります。部下の有無に関係なく、誰もがインクルーシブな関わり方を意識することで、チームの協働力と成果が変わってくるからです。
実際、インクルーシブな職場ではそうでない職場に比べて、
・男女ともに協力的な行動を取る割合が74%高い
・男女ともにイノベーションを発揮する割合が81%高い
という調査結果も報告されています。(*1)
インクルーシブリーダーシップの5つの要素
このリーダーシップには、以下の5つの要素が含まれます:「アカウンタビリティ」「勇気」「寛容」「謙虚」「エンパワーメント」

日本の職場文化においては、「寛容」「謙虚」「エンパワーメント」の3つの要素が、インクルージョン醸成に最も寄与するということが調査(*2)で判明しています。
「寛容さ」があると、メンバーは「安心して話せる」と感じ、アイディアも懸念も、口にできるようになります。この寛容さは、減点主義的な日本の職場文化においてインクルージョンを醸成する上で、特に重要です。
「謙虚さ」があると、リーダーは「自分に欠けている視点を他に学ぶべきだ」とのスタンスで、メンバーの声に自然と耳を傾ける姿勢が生まれます。
「エンパワーメント」があると、メンバーは「背中を押してもらっている」と実感でき、挑戦する勇気や、自らのアイディアを形にする力につながっていきます。
まとめ:誰もがインクルーシブ・リーダーになれる
こうした関係性の循環があることで、誰もが尊重されていると感じられ、働きやすくなり、結果としてチームや組織への貢献にもつながっていくのではないでしょうか。一人ひとりがインクルーシブな関わり方を意識することで、前向きな職場文化が育まれます。インクルーシブ・リーダーシップの視点を、リーダー育成のコンピテンシー要素に取り入れることで、組織の可能性をさらに広げてみませんか。
出典:(*1,2)Catalyst調査「インクルージョンへの道:日本における女性が働きやすい職場づくり」